東京リウマチクリニック 東京のリウマチ専門医 天本藤緒 大田区

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関節リウマチ
遺伝と発症しやすい体質
について

関節リウマチとは

関節リウマチは、本来は体を守るために働く免疫系に異常が生じ、正常な細胞などを攻撃してしまう病気です。

きっかけは何らかの刺激(遺伝子、環境因子)が原因で、誤った命令により免疫細胞や滑膜内の細胞からサイトカインが放出し、炎症細胞を刺激し炎症性サイトカインがさらに放出、持続することで関節炎を起こしています。破骨細胞も増殖するので結果として、骨破壊を起こしてしまいます。

日本での有病率は0.6~1.0%で約70万~90万人の患者さんがいると推計されています。

罹患率は女性では0.4/1000人、男性では0.2/1000人です。(免疫・炎症性疾患のすべてより)

人類はいつからこの病に
悩んでいるのでしょうか

遠い昔、紀元前4500年頃の古代インディアンの人骨に、すでに関節リウマチの特徴的な関節の変化があったようです。

また、欧米では、17世紀の絵画に関節リウマチらしいものが描かれています。日本では、奈良時代の歌人、山上憶良が自らの関節リウマチを詠んだとされる詩が残っています。

関節リウマチの遺伝性

関節リウマチの発症原因として、遺伝的な影響と生まれてから受ける後天的影響が考えられています。

よく「関節リウマチは遺伝しますか?」と質問を受けます。

答えとして、親がリウマチであっても100%子どもに遺伝することはありません。

リウマチ患者の1親等以内にリウマチ患者がいる割合は9.8%だったという家系調査の結果もあります。(首藤敏秀ら 慢性関節リウマチの家系調査1990より)

9.8%は非常に高いように思いますが、親が一人リウマチでもその子供の10人のうち9人はリウマチにならないと言い換えることもできます。兄弟が一人リウマチでも同様です。

もちろん、関節リウマチのいる家族は、関節リウマチのいない家族に比べて、関節リウマチになる確率が高いです(約3.6倍)。

確かに遺伝性は強いのですが、特定の遺伝子(HDR-DR4)を受け継ぐことはあっても、一つの遺伝子からなる典型的な遺伝病とは全く違います。(この遺伝子を持っていても関節リウマチを発症しない人、この遺伝子を持っていなくても関節リウマチを発症する人、他の遺伝子の影響を受けている人などがいるのです。)

医学用語では、疾患関連遺伝子と言いますが、最低30個以上のリウマチ関連遺伝子が見つかっています。

女性というだけで発症率が高い(4-5倍)ため、性別の遺伝子もリウマチ関連遺伝子だといえます。これらの遺伝子が複雑に組み合わさって、運が悪いとリウマチを発症するということになります。

たとえて言うと、宝くじで十桁の数字が運悪く当たってしまった。というような場合に発症すると考えてください。

関節リウマチの発症原因はさまざま

関節リウマチは多因子疾患と言われています。

特定の1つの要因だけでなく、様々な要因が複雑に絡み合って病気を引き起こすのです。

特に、出生後に発生する後天的な影響は大きいと考えられています。喫煙や歯周病が関節リウマチと密接に関係していることは、すでに発表されています。また、口腔内や腸内細菌叢の変化も注目されています。

上記の遺伝因子とタバコや歯周病、肥満やアスベストなどの環境因子が関わることで、よりリウマチになりやすい体質に変化すると考えられています。

家族に関節リウマチの人がいる場合は特に注意し、原因となるような環境要因を避けるようにしましょう。

(※リウマチに良い食べ物は「食生活とリウマチ予防」ページで紹介しています。)

関節リウマチの治療薬

リウマチ治療薬の歴史

痛み止めとして、紀元前500年にはヤナギの木の皮から得られる成分「サリチン」が使用されていたようです。1897年にアスピリンが登場し、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs・ステロイド以外で鎮痛・消炎・解熱作用をもつ薬物群の総称)が使用されるようになりました。

ステロイド剤の登場

1950年代に速効性のある強力な抗炎症作用と免疫抑制作用を有するステロイドが使用され始めました。寝たきり状態のリウマチ患者さんが一晩で歩けるような劇的な薬だったようです。しかし、さまざまな副作用がわかるようになり、利用がされなくなりました。現在は長い研究成果により適切な使用量がわかり補助的に使用されています。

MTXの登場

サラゾスルファピリジン(SASP)などの免疫調整薬時代を経て、日本では1999年に承認されたMTXが登場しました。もともとMTXは腫瘍の治療に使われていましたが、少量で関節や骨の破壊を抑制する効果があることから、関節リウマチの治療薬として第一選択薬となりました。

MTXは以前の治療薬に比べ、関節・骨破壊抑制が著しく効果をあげますが、それでも十分ではありませんでした。

生物学的製剤の登場

その後、海外では1998年、日本では2003年に生物学的製剤が登場します。生物学的製剤は関節リウマチの免疫細胞やサイトカイン、サイトカイン受容体を標的とした薬で、関節炎を速やかに抑え、骨破壊の進行を抑える劇的な効果があります。現在では8剤登場しています。

また、MTXと併用して治療することで生物学的製剤の効果を増加させることがわかっています。

さらに詳しく

生物学的製剤について

JAK阻害薬の登場

さらに近年、生物学的製剤と同等の効果が得られる飲み薬として、JAK阻害薬が登場しました。生物学的製剤のような主に1種類だけのサイトカインではなく、多くの炎症性サイトカインを生み出す細胞の中での伝達経路をブロックして、炎症を起きないようにする薬です。免疫を抑える薬なので、生物学的製剤と同様に感染症に注意が必要です。

また、帯状疱疹に関しては、やや他のリウマチ剤より起こりやすいことがわかっています。本院では、原則五十歳以上のほぼ全員の方に帯状疱疹ワクチン・シングリックスを接種していただいています。

さらに詳しく

JAK阻害薬について

リウマチ治療の今後

関節リウマチの治療は、さまざまな薬剤の開発・有効性により、寛解についてはタイミングさえ外さなければ比較的容易になっています。

そして近い将来、寛解ではなく完治を目指す遺伝子的治療が必ず出てくると信じています。

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