前回、前々回と続いて、関節リウマチと膠原病についてお話しました。
前回お伝えしたように、関節リウマチと膠原病を区別する為には、抗核抗体検査が重要になります。
そして同時に、膠原病を疑う症状を診ていくことも大切なポイントです。
じゃあ、膠原病を疑う症状ってなんですか?
と、思われる方も、もちろんいらっしゃると思いますので、今回は、膠原病を疑う症状についてお話ししていきます!
診ていくのは、こちら!
膠原病は手に特徴的な症状が現れることが多いので、患者さんの手を観察します。
こちらは、レイノー現象といって、寒い外気や冷たいものに触れると、指先が白く変化する症状のことを表します。
指先にある血管が攣縮(れんしゅく)、つまりけいれんを起こしてとても細くなり、血流が少なくなる為、白く変化し、その後、紫色になります。
この時、指先のしびれ、冷感、疼痛、知覚低下など自覚症状がでます。
少し時間が経つと、血管の攣縮が治り、血流が元に戻ります。その結果、今度は、赤くなるというのも特徴の一つです。
レイノー現象が起こる原因は、寒さによる刺激や精神的なストレスなど様々です。
氷やアイスクリームなど冷たいものを手にした後に、気付く方も多いそうです。
このレイノー現象は、膠原病の一つである、強皮症、そして混合性結合組織病のほとんどの患者さんに現れます。
他にも、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎・皮膚筋炎、シェーグレン症候群、血管炎症候群の患者さんからも訴えがあることがあります。
また、レイノー現象以外にも、膠原病では特徴的な症状が手に出ることがあります。
指の爪の甘皮部分に見られる黒い出血点、これは、爪上皮出血点と呼ばれる症状です。
膠原病では、血管のダメージや血流が悪くなることで、細かな血管(毛細血管)に出血を起こすことがあります。
指先、特に爪の甘皮部分の皮膚が薄い場所なので、その部分に出血点が見えることが爪上皮出血点の特徴です。
その多くは、薬指に見られますが、他の指にも起こることがあります。
強皮症・混合性結合組織病の患者さんの7〜8割に現れる、とされています。
関節の痛み、レイノー現象、爪上皮出血点など、何か気になる症状はありますか?
もちろん、病気によっては、それら以外の症状が出ることも珍しくありません。
悩む前に、一度受診されることをオススメしますよー!