関節リウマチ治療中の方、必見!実はあまり知らない感染症・帯状疱疹とは?

病態生理や治療に基づくコラム

皆さん、こちらのCMをご存知でしょうか?

風吹ジュンさんと井上真央さんが母娘役で共演されたことが話題のCM。帯状疱疹を多くの人に知ってもらいたいと制作されたものです。

では、帯状疱疹について、ご存知でしょうか?

患者さんに聞いてみると、

CMを見たので、聞いたことはあります。

あまり知らないです。

親(もしくは親戚)が帯状疱疹になって大変だったので、知っています。

と、このようなパターンに分かれることが多いです。

なんとなく知っているもしくは聞いたことがある感染症・帯状疱疹。実は関節リウマチを治療中の方には知っておいてもらいたい感染症の一つなんです。

というわけで、今回は帯状疱疹についてお話しします!

なぜ関節リウマチ治療中の方に、知ってもらいたいかも説明しますよー!

そもそも帯状疱疹とは何か、と言いますと、いわゆる『水ぼうそう(水痘/すいとう)』と同じウィルスによる皮膚の感染症です。

正式名称は、『水痘帯状疱疹ウィルス』と言います。

症状は、赤く盛り上がった発疹・水ぶくれ、ピリピリした痛み、38℃前後の熱、かゆみ、などがどちらでも現れることがあります。

では、『水ぼうそう』と『帯状疱疹』の違いとは?

  • 水ぼうそう:2〜5歳での発症が多く、全身に発疹が出ることが特徴。
  • 帯状疱疹:60歳以上に多く、身体の左右どちらかに発症することが特徴。
日本成人病予防協会より

こちらの違いに加え、初めて感染した時を『水ぼうそう』再活性した時を『帯状疱疹』と言います。

再活性ってどういうこと?

と思われる方もいらっしゃると思いますが、ここが今回のポイントです!

『水痘帯状疱疹ウィルス』は、一度感染すると身体の中から排除することは出来ません。

普段は、身体の中の神経節に潜んでいて、ストレスや疲れ・加齢などによる免疫力が下がってきた時に、再び害をもたらします。

帯状疱疹は、身体の左右どちらかの一部に発症することが特徴的ですが、重症化すると全身に拡がったり、時には、神経に悪さをして、痛みが残ってしまうこともあります。

グラクソ・スミスライン株式会社『帯状疱疹』より

そう、そして、関節リウマチ治療中の方は、まさに『免疫が下がっている状態』にあると言えます。

多くの方が使っている内服薬のメトトレキサート (リウマトレックス)や生物学的製剤のエタネルセプト(エンブレル)などは、免疫を抑え、炎症を下げる効果があるからです。

ということは帯状疱疹に絶対なってしまうの!?

と、いうわけではありませんので、ご安心を。

ですが、帯状疱疹の発症・重症化のリスクが高い状態であるということになります。

なので、関節リウマチ治療中の方には、予防接種ワクチンを受けていただくことをオススメしています。18歳以上になれば受けられるようになりましたので、ぜひご検討くださいねー!

また、帯状疱疹が発症した場合、リウマチの治療をいったん休薬する必要があります。

もしご自身で判断できない場合は、早めに主治医にご相談くださいねー!

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