前回、関節リウマチと膠原病についてお話しました。
この2つの病気は、同じように関節の痛みを引き起こすことがあります。
しかし、治療方法が関節リウマチと膠原病では異なるため、区別することが大切です。
じゃあ、関節リウマチと膠原病をどうやって区別するの?
と、思われた方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな疑問にお答えしたいと思います!
まず、膠原病でどんな症状が出るかというと、
- 肩や関節、筋肉の痛みが長く続く
- 起きたときに体がこわばったり、痛みがある
- 手指が腫れることがある
- 皮膚が赤くなったり、湿疹ができる
- 指先が蒼白や紫色、白色に変色することがある
- 体が常にだるい、微熱がある
*疾患によって症状は上記以外のものもあります。
特に最初の症状は関節リウマチと似ていて、実際、検査をしてみたら、実は膠原病だった、というケースも珍しくありません。
また、関節リウマチと膠原病は併発する、つまり同時に症状が起きることもあります。
そこで重要になるのが、抗核抗体を調べる血液検査です。
抗核抗体とは、細胞の核の成分と反応する自己抗体の総称です。
自己抗体:本来、細菌やウィルスなどの感染によって身体の中で、自身を守る為に生まれるのが、抗体。それが自身の中に生まれ、自分の身体の中の臓器などを攻撃してしまう抗体のこと。
この抗核抗体を調べることによって、膠原病の原因となる自己抗体を持っているかどうかが分かります。
抗核抗体の基準値の40〜80倍未満、それ以上が陽性と判断されます。
ここで注目!
抗核抗体検査で陽性になった!私は膠原病なんだ…。
というわけではありませんので、ご安心を。
実は、健常な方でも陽性になることあるのです。
抗核抗体にも、たくさんの種類があって、一部分に対する抗体があっても、身体に影響がない場合もあります。
健常な方の陽性率はというと、
- 40倍以上:20〜30%
- 80倍以上:10〜12%
- 160倍以上:5%
- 320倍以上:3%
↑こちらの通り、健常な方でも40〜160倍で陽性となることがあります。
その為、320倍以上では、より膠原病の可能性があることを疑うことが多い、とされています。
抗核抗体の値が高い(陽性)+ 膠原病を疑う特徴的な症状・検査異常がある場合、更なる精密検査を行います。
気になる症状があれば、一度主治医にご相談することをお勧めしますよ!