関節リウマチ治療中に熱が出た!こんなときはどうしたらいいの?重要ポイントを解説!

臨床に基づくコラム

37.5℃ぐらいの微熱が出たんですけど、1週間ぐらいで治ったので、薬は飲み続けていました。

38.4℃の熱が出たんですけど、1日ぐらいで治りました。咳は続いていますけど、お薬は飲んでいます。

という方、いらっしゃいませんか?

ちょっと待って下さい!

主治医の先生から、関節リウマチの治療を始めるとき、こんな説明を受けていませんか?

リウマチの治療はメトトレキサート(リウマトレックス)で始めます。これは、免疫を下げるお薬です。

(免疫が下がる…。つまり風邪を引きやすくなるのかな?)

その通りです。もう少し正確に言いますと、ちょっとした細菌やウィルスへの抵抗力が少なくなる、ということになります。

そもそも、免疫とは何か、と言いますと。

病原体・ウィルス・細菌などの異物が体に入り込んだ時にそれを見つけだして、体から取り除くという仕組みのことを言います。

体から取り除く時に、くしゃみや熱、皮膚の発疹などの反応を起こします。

それが免疫によって、自然に回復することもありますし、放置して重症化してしまうこともあります。

関節リウマチを治療中の方で、特に気をつけていただきたいのが、肺炎です。

その原因は大きく分けて、3つあります。

  1. リウマチが原因の肺疾患(例:間質性肺炎、器質化肺炎など)
  2. 病原体による感染症(例:細菌性肺炎、ニューモシスチス肺炎など)
  3. メトトレキサート など治療薬による薬剤性肺炎(例:MTX肺炎など)

症状は、風邪をひいた時とよく似ています。

喉の痛みや鼻水、鼻づまり、38℃を超える発熱、咳、痰(黄色や緑色)、呼吸困難、息切れ、悪寒、全身のだるさなどが挙げられます。

この状態でリウマチの治療を続けていると、免疫を下がっている状態なので、治ることに時間がかかります。

そして気づかない間に重症化、つまりもっと悪くなってしまうことがあります。

肺炎って言っても、全然症状が出てないし、大丈夫じゃないかな?

全然大丈夫じゃないですよー!(汗)

症状が軽いものだからといっても、肺に負担をかけている状態には変わりありません。

肺炎の適切な治療を行わないと、肺が悪くなる一方です。

入院になることもありますし、さらに最悪の事態にもなりかねません。

なので、風邪のような症状が出たら、一旦MTXなどの関節リウマチのお薬を中断し、すぐにかかりつけ医に受診するようにしましょう。

もし判断にお困りの場合は、なるべく早く主治医へご相談するようにして下さいねー!

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