ご存知でしたか?関節リウマチと抗CCP抗体と歯周病の関係性!

学術的に基づくコラム

関節リウマチと抗CCP抗体と歯周病の関係性ってなに?

と、タイトルを見て思われた方も多いのではないでしょうか?

関節リウマチを診断する上で大切な指標、抗CCP抗体

実は近年の研究で、歯周病の原因菌の一種が、抗CCP抗体を産み出すことが分かっています。

その細菌が、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌と呼ばれるものです。

歯周病を患っていると、この細菌が増え、抗CCP抗体をたくさん生み出し、関節リウマチ発症になっているのではないかと言われています。

2015年、京都大学医学部附属病院リウマチセンターでは、約1万人の健常人と、京大病院リウマチセンターを未治療・未診断で受診した72名の関節痛患者の追跡調査を行っています。

その結果、歯周病をもつ関節痛を訴える患者さんは、歯周病のない患者さんに比較して、その後関節リウマチと診断され抗リウマチ治療を開始されるリスクが約2.7倍高くなると明らかになりました。

さらに、最新の研究結果では、米スタンフォード大学の研究チームが、歯周病により、関節リウマチの炎症が活性化されることを発表しています。

Together, these results suggest that (i) periodontal disease results in repeated breaches of the oral mucosa that release citrullinated oral bacteria into circulation, which (ii) activate inflammatory monocyte subsets that are observed in inflamed RA synovia and blood of RA patients with flares and (iii) activate ACPA B cells, thereby promoting affinity maturation and epitope spreading to citrullinated human antigens.

(これらの結果は、(i) 歯周病により口腔粘膜が繰り返し破壊され、シトルリン化口腔細菌が循環に放出され、(ii) 炎症を起こした関節リウマチの滑膜や再燃を伴う関節リウマチ患者の血液では、炎症性単球サブセットが活性化されることが示されています。 (iii) ACPA B 細胞を活性化し、それによって親和性の成熟とシトルリン化ヒト抗原への拡散を促進します。)

Oral mucosal breaks trigger anti-citrullinated bacterial and human protein antibody responses in rheumatoid arthritis

つまり、歯周病を放置してしまうと、関節リウマチの症状が悪化することが研究で明らかになっています。

とは言っても、

私は虫歯(または歯周病)がある!将来、関節リウマチになるんだ!

ということではありませんので、ご安心を。

ですが、関節炎を起こすリスクは高まる可能性がある、ということになります。

関節の症状がなくても、歯周病や虫歯を放置していると、心筋梗塞や脳梗塞、アルツハイマー認知症などのリスクが高まるとされています。

ご自身の健康を守るためにも、歯科への定期受診はオススメですよー!

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