関節リウマチ治療の強い味方!生物学的(バイオ)製剤・注射を打つ時の実際とは?

病態生理や治療に基づくコラム

関節リウマチの治療薬のアンカードラッグ、つまり中心的な薬剤といえばメトトレキサートです。

リウマトレックス(左)メトトレキサート(右)

しかし、痛みが治まらない、関節が腫れてしまうなど炎症の症状が治まらない時には、お薬の量を増やします。

それでも治療効果が足りないというとき、生物学的製剤の出番となります。

生物学的製剤の詳しい説明については、東京リウマチクリニックのHPをご参照ください。

生物学的製剤って具体的にどんなものなの?

患者さんからのそんな疑問にお答えするため、生物学的製剤について、ご紹介したいと思います。

まず、当院で採用している生物学的製剤はこちらになります。

薬剤名(一般名)作用対象容量投与方法
エンブレル(エタネルセプト)TNFα25mg/50mg皮下注射
シムジア(セルトリズマブぺゴル)TNFα200mg皮下注射
ヒュミラ(アダリムマブ)TNFα40mg皮下注射
シンポニー(ゴリムマブ)TNFα50mg皮下注射
レミケード(インフリキシマブ)TNFα200mg点滴
オレンシア(アバタセプト)CTLA-4125mg点滴
皮下注射
アクテムラ(トシリズマブ)IL-6162mg点滴
皮下注射
*TNFα、IL-6:炎症を引き起こすサイトカインの一つ。
*CTLA4:免疫を携わるT細胞の働きを抑える受容体。

今回は分かりやすいように、当クリニックで最も使用されている、エタネルセプト2つのタイプで説明させていただきます。

一つは、ペンタイプです。

上)25mg 下)50mg

もう一つは、シリンジタイプとなります。

上)50mg 下)25mg

どちらも同じ薬液が入っているので、治療効果は同じです。

痛みの程度、血液検査や超音波検査などを踏まえ、25mg、もしくは、50mgの量を投与するか決定します。

じゃあ何が違うの?

実は、エタネルセプトだけではなく、生物学的製剤の注射は、打つ時に痛みを伴うことがあります。

えっ!?どれだけ痛いの!?

とても痛いです。

どんな痛みかというと、薬を入れている時に沁みるような痛みがあると訴える方が多いです。

そんな時に、ペンタイプかシリンジタイプで、違いが出てきます。

ペンタイプ

メリット:15秒程度で終わる

デメリット:速度を調節できない分痛みが強い。

シリンジタイプ

メリット:速度を調節できるため、痛みが少ない。

デメリット:ゆっくり注射すると時間がかかる。

どちらが良いかは、患者さんの感覚によるものになります。

痛いけど、すぐに終わる方が良い、という方はペンタイプにしています。

逆に、痛すぎるので、時間がかかっても痛みが少ない方が良い、という方はシリンジタイプにしています。

自分で注射をするのは怖い・・・。

大丈夫です!

最初は、私たち看護師で注射をさせていただきます。

その後は、注射を打つ頻度や通院の大変さなどを相談して、ご自身で注射をする練習をしていく、といった流れになります。

もちろん、自分でするのは無理!という患者さんは、通院して注射を打ちに来る方もいらっしゃいます。

絶対にご自身で注射をしていただくというものではありませんので、ご安心くださいね!

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