手の指や足の指、もしくは肘や膝など、関節リウマチは身体の細かな関節に影響を与えます。
指が痛くてペットボトルが開けられない。
肘が痛くて洗面が難しい。
時には、関節が腫れてしまい、傍目からも痛々しく映ることは珍しくありません。
特に、美しさが資本となるモデルさんや女優さんたちが関節リウマチに罹患した時、その苦痛や悩みは計り知れないものかもしれません。
けれど、そんな困難を『楽しさ』に変え、現在も世界で活躍する女性ダンサーがいます。
彼女の名前は、ポーラ・アブドゥル (Paula Abdul) さん。
アメリカ合衆国カルフォルニア州出身で、元々はNBAのチアリーダーをされていました。
NBA:National Basketball Associationの略で、全米プロバスケットボール協会のこと
彼女が20代の頃、ジャネット・ジャクソンさんの楽曲の振り付けを担当したことから、一躍注目されます。エディ・マーフィンさん主演の映画『星の王子〜ニューヨークへ行く』の劇中ダンスもポーラさんが担当しています。
その後、1988年にはデビューアルバムをリリースするなど、歌手としても脚光を浴びています。
そんな彼女が関節リウマチを患ったのは、2005年。
2020年2月、Arthritis Foundationのインタビューに彼女はこう答えています。
Arthritis Foundation:アメリカ合衆国にあるアトランティス州を中心にしたブログサイト。主に関節炎について焦点を当てている。
I put my body through so much, doing choreography and putting my body into positions that aren’t normal, or jumping off of stages,” says Paula.
「振り付けをしたり、通常とは異なる体勢をとったり、ステージから飛び降りたりと、私は、体に負担をかけています。」
Arthritis Foundation
http://blog.arthritis.org/living-with-arthritis/paula-abduls-joyful-outlook/
長年ダンサーとして携わっていたこともあり、変形性関節症も患っていました。
抗CCP抗体が陽性であったことから、生物学的製剤を取り入れ、自身に合ったリウマチの治療薬に変更したそうです。
抗CCP抗体:関節リウマチの重症度を予測できる重要な検査。この抗体が高値の場合変形が進みやすいため、早期治療が望まれる。
それでも特に負担のかかる足の指の痛みはなかなか取れないようで、鎮痛剤入りのゲルを使用しながら、音楽活動を続けています。
現在、ポーラさんは60歳。
多数のエンターテイメント・プロジェクトや未来のアイドルを発掘するオーディションの審査員に携わるなど、多忙な日々を送っています。
そんな彼女の活動的な生活の秘訣は、日々の生活の中に楽しみを見出すことなのだそうです。
I just try to be as mindful as I can be of what my body is telling me.
「私はただ、自分の身体が教えてくれていることを、できるだけ意識するようにしています」
Arthritis Foundation
http://blog.arthritis.org/living-with-arthritis/paula-abduls-joyful-outlook/
I don’t like to, per se, ‘exercise.’ But I love moving and dancing and taking silly dance breaks and just turning on music or going outside.
「私は”運動”自体好きではありません。でも、体を動かしたり、踊ったり、くだらないダンスで休憩したり、ただ音楽を聴いたり、外出するのが好きなんです。」
Arthritis Foundation
http://blog.arthritis.org/living-with-arthritis/paula-abduls-joyful-outlook/
テレビを見ながらボート漕ぎをしたり、愛犬の散歩中に音楽を聴きながら大声で歌ったり、音楽をかけて踊ったりすることが、彼女の生活の糧になっているようです。
For my mental health as well as my joint pain, I have to move,” she says. “If your body’s feeling good, you inevitably start feeling better.
「関節の痛みだけでなく、心の健康のためにも、動くことが必要です。体の調子がよければ、必然的に気分もよくなるんです。」
Arthritis Foundation
http://blog.arthritis.org/living-with-arthritis/paula-abduls-joyful-outlook/
痛みをコントロールしながら精力的に活躍するポーラさんの姿は、こちらにも力を与えてくれますね!