膝が腫れる・水がたまる原因
膝は手や足の指などと比べ、関節の重要さが違います。腫れたまま放っておくと、短時間で変形が進んでしまいます。膝が腫れている・水が溜まっている状態は、関節内に炎症があるからです。
半月板の断裂や変形性膝関節症の要素が多いですが、なかに関節リウマチが潜んでいる場合があります。通常のリウマチの印象と異なるため、診断が遅れがちです。
- ▍関節リウマチ・乾癬性関節炎などの炎症性疾患
- ▍変形性膝関節症(加齢・肥満・外傷)
- ▍痛風・偽痛風(結晶沈着)
- ▍半月板損傷・靱帯損傷
- ▍骨壊死症・PVNS(色素性絨毛結節性滑膜炎)などの腫瘍性疾患
診断について
問診・触診に加え、血液検査(リウマチ因子・CRP・抗CCP抗体・尿酸値など)、レントゲン、関節エコー検査(超音波)を組み合わせて診断します。
膝の水は抜いて良いのか
つっぱって曲げられないほどならば、一度抜いたほうが良いでしょう。「水を抜くと癖になる」は誤解で、炎症が続く限り水は溜まり続けます。抜いた水の色の確認や成分分析・細菌培養をすることで、貴重な診断情報を得られます。
検査について
外傷性の要因がなく、膝に水が溜まる症状が何度も繰り返す場合は、どんな年齢でも必ずリウマチ因子とCRPを調べます。また、MRI検査などを併用して、リウマチが原因なのか、骨壊死症・腫瘍性疾患・軟骨軟化症・半月板の亀裂が原因なのかを診断します。
治療について
水が溜まるのは炎症を伴っているため、ヒアルロン酸注射・ステロイド注射などの関節内注射が有効です。リウマチによる膝炎の場合はMTX・生物学的製剤・JAK阻害薬などの全身治療が最も重要です。
膝の関節注射について →関節注射で注意が必要な点
漢方療法
血液検査でリウマチなどが否定された場合、防己黄耆湯などの漢方薬を使用します。漢方ですべての痛みが解決するわけではありませんが、第2の選択として処方しています。
効果が出るのには一般に、3〜4週飲み続ける必要があります。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
利尿作用があります。むくみやすい中年以降の女性に向いています。
軟骨の変性はそれほどではないが、膝の水を繰り返す方に有効です。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
筋肉弛緩作用があります。
膝の痛みとともに、ふくらはぎの痛み・こりがある、足がつりやすい方に有効です。
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
強い痛みと炎症を伴う場合に有効です。
主に慢性の関節リウマチのケースに用い、変形性関節症で使用することは稀です。
自費であれば、医師の処方箋なしに漢方薬局で購入することも可能ですが、長期間服用すると漢方といえども副作用を起こすことがありますので、十分にご注意ください。
リウマチ以外の膝痛の原因
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、簡単にいえば、自動車のタイヤが減るように、長年の負担で膝関節の軟骨がすりへった状態をいいます。ですから、変形性膝関節症は純粋に病気とはいえず、年をとれば大なり小なり誰にでも起こってくる状態ともいえます。ただし、年をとれば全員に膝関節の痛みが出てくるわけではありません。
膝関節骨壊死症
最近の多くの研究の結果、膝関節骨壊死の本質は軟骨下骨挫傷による二次性に起こる骨壊死であろうと考えられるようになりました。半月板の亀裂や「ずれ」のために膝の上の骨と下の骨がギシッとこすれあい骨の表面にひびがはいる、というのが大半の膝関節骨壊死の原因だと考えています。
そのほかリウマチ以外で、一度膝の水を抜いてステロイド剤を注入してもまた再発を繰り返すならば、痛風・偽痛風などの疾患を考える必要があります。
初診は完全予約制です。WEBからご予約ください。
