関節リウマチの治療薬の目的は、関節の炎症を早く抑えて痛みを軽くし、関節の破壊・変形を防ぐことです。治療目標は「寛解」、つまり日常生活を支障なく送れる状態の維持です。
MTX(メトトレキサート)について
MTX(メトトレキサート・リウマトレックス・メトレートなど)は1カプセル2mgの抗リウマチ剤で、抗リウマチ剤の中でもっとも確実によく効く薬です。現在では世界的に第一選択薬となっています。
なぜMTXを第一選択とするのか
MTXの投与量と服用方法
ごく軽症の方や強い肝障害・肺疾患のある方、妊娠を考慮されている方などを除き、ほとんどの方に処方します。週に4〜8mg(2〜4カプセル)の少量から開始し、効果が出るまで数か月かけて増量します(男性20mg・女性16mg程度)。飲み始めて1〜2か月で効果が出てくることが多いです。
本院の患者さんは土曜・日曜の朝にまとめて服用するよう指示しています。飲み忘れにくい曜日に変更してもかまいません。飲み忘れた場合は翌日に飲めばよく、1週間のあいだに飲む量が一定していれば問題ありません。
リウマチ性の痛みや腫れが続く場合、たとえCRPが低くてもMTXを増量します。
メトジェクト(MTXの皮下注射製剤)
メトトレキサートの皮下注射薬も登場しています。自己注射が可能で、シリンジタイプとペンタイプがあります。効果は経口薬と同等で消化管障害が少ないとされています。
MTXの副作用と葉酸(フォリアミン)
以前の抗リウマチ剤と比較してむしろ副作用は少ないですが、間質性肺炎(肺が白くなる)や白血球減少など危険な副作用が稀に起こるため注意が必要です。正しい服用法とチェックを続ければ、大事には至りません。
他によくある副作用:胃腸障害・口内炎・空咳・倦怠感・脱毛・肝機能上昇など。これらは薬が体内でよく作用しているサインでもあるため、軽症であれば心配しすぎる必要はありません。
咳や発熱、息苦しい、ひどい倦怠感などの症状が出たときは、次の受診日を待たずすぐに受診してください。
葉酸(フォリアミン)について
初めてMTXを服用する患者さんは、服用する前日に必ずフォリアミンを服用するよう説明しています。
MTX・アラバ服用中の重要チェック項目
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1
次の症状が出たら服用を中止し、すぐに来院または電話再診を:
咳が止まらない・38度以上の熱・食欲がほとんどない・息苦しい・ひどくだるい。
遠方の場合は近くの救急外来を受診し、胸部レントゲンのチェックを受けてください。 -
2
服用中は必ず避妊してください。
妊娠すると流産・先天性奇形の危険があります。挙児希望の場合は必ずご相談ください(男女とも)。 MTX内服中の避妊について → -
3
妊娠の可能性がないか、もう一度確認してください。
最後の生理はいつでしたか? -
4
タバコは絶対に止めてください。
お酒は缶ビール1〜2本程度までであれば可。MTX内服日も飲酒可能ですが、人によっては悪酔いすることがあるため注意してください。リウマチ患者さんはタンパク質不足になりやすいため、上質な魚やチーズなどを十分にとることを推奨します。 - 5 感染に注意し、石けんで頻繁に手を洗ってください。
その他のリウマチ治療薬
毎日1〜2錠(高齢者は1日おきに1錠)内服します。MTXと同様の注意が必要です。倦怠感・胃腸障害・肝障害・血液障害・脱毛・間質性肺炎が出ることがあります。毎日服用を1日おきに減らす、または中止してもかまいません。効いてくるのに1〜2か月かかります。
MTXとの併用もあります。1日1錠から開始し、だいたい1日2〜4錠に増量していきます。副作用として胃腸障害・下痢・咳・白血球減少などがあります。効いてくるのに1〜2か月かかります。
ステロイド(プレドニン・プレドニゾロン)
以前は抗リウマチ治療の中心でしたが、長期的な副作用が大きいため現在ではできるだけ使わない方針です。ただし痛みにはすごくよく効き、MTXなどが効いてくるまでの「つなぎ」として補助的に使います。
1日5mg以下であればあまり心配はいりませんが、できれば3mg以下に抑えたいところです。急に止めると症状が出るため、減量する場合は1〜3か月かけてゆっくり減らしてください。
骨粗鬆症治療薬
60歳以降の日本人、特に女性はほぼ全員が骨粗鬆症になっていくと考えてください。リウマチの患者さんは骨粗鬆症が必発です。全員に最低限、カルシウムとビタミンD製剤のサプリメントが必要です。
ステロイドを服用している方・子宮や卵巣の摘出手術をした方・胃を切除した方・閉経が早かった方は特にリスクが高く、より強力な予防が必要です。
ほぼ全員に処方しています。カルシウムとビタミンDは必ずセットで摂ることが重要です。市販のサプリメント(ネーチャーメイドなど)も有効です。
カルシウムとビタミンDだけでは不十分な場合に処方します。1日1回空腹時に服用し、他の薬と一緒に飲まないようにしてください(吸収が悪くなります)。胃の調子が悪いときは中止してかまいません。
フォサマックより胃腸障害が少なく飲みやすいため、閉経後の女性にはこちらをおすすめします。乳がんの予防効果もあります。血栓症の既往のある方は使用できません。
もっとも強力な骨粗鬆症の注射薬です。重症の方や骨折の既往がある方に使用します。
初診は完全予約制です。WEBからご予約ください。