TREATMENT DRUGS

リウマチ治療薬(MTX・ステロイドほか)

関節リウマチの治療薬の目的は、関節の炎症を早く抑えて痛みを軽くし、関節の破壊・変形を防ぐことです。治療目標は「寛解」、つまり日常生活を支障なく送れる状態の維持です。

MTX(メトトレキサート)について

MTX(メトトレキサート・リウマトレックス・メトレートなど)は1カプセル2mgの抗リウマチ剤で、抗リウマチ剤の中でもっとも確実によく効く薬です。現在では世界的に第一選択薬となっています。

なぜMTXを第一選択とするのか

長い実績と確かな効果
長年にわたってリウマチ治療に使われてきた実績があり、効果と安全性のバランスで信頼されています。多くの臨床試験データに基づき「症状の改善」「炎症抑制」「関節破壊の抑制」に有効であることが示されています。
費用負担が比較的少ない
生物学的製剤などの高価な治療薬に比べ、自己負担が軽いというメリットがあります(2026年薬価:2mg 77.9円)。長く続けていく治療なので、費用面の安心も大切です。
飲み薬・注射など選べる
経口・注射など投与方法の選択肢があり、患者さんの状態やライフスタイルに応じた調整が可能です。定期的な血液検査で安全性を高めやすく、長期使用にも耐えやすい薬です。

MTXの投与量と服用方法

ごく軽症の方や強い肝障害・肺疾患のある方、妊娠を考慮されている方などを除き、ほとんどの方に処方します。週に4〜8mg(2〜4カプセル)の少量から開始し、効果が出るまで数か月かけて増量します(男性20mg・女性16mg程度)。飲み始めて1〜2か月で効果が出てくることが多いです。

本院の患者さんは土曜・日曜の朝にまとめて服用するよう指示しています。飲み忘れにくい曜日に変更してもかまいません。飲み忘れた場合は翌日に飲めばよく、1週間のあいだに飲む量が一定していれば問題ありません。

寛解を目標とした治療
関節の腫脹ゼロ、痛みはたまに軽くある程度。家事はもちろん、ジョギング・テニス・旅行・山歩きが普通の人と変わらずできる——これが第一に目指す治療目標ラインです。
リウマチ性の痛みや腫れが続く場合、たとえCRPが低くてもMTXを増量します。

メトジェクト(MTXの皮下注射製剤)

メトトレキサートの皮下注射薬も登場しています。自己注射が可能で、シリンジタイプとペンタイプがあります。効果は経口薬と同等で消化管障害が少ないとされています。

メトジェクトについて →

MTXの副作用と葉酸(フォリアミン)

以前の抗リウマチ剤と比較してむしろ副作用は少ないですが、間質性肺炎(肺が白くなる)や白血球減少など危険な副作用が稀に起こるため注意が必要です。正しい服用法とチェックを続ければ、大事には至りません。

他によくある副作用:胃腸障害・口内炎・空咳・倦怠感・脱毛・肝機能上昇など。これらは薬が体内でよく作用しているサインでもあるため、軽症であれば心配しすぎる必要はありません。

咳や発熱、息苦しい、ひどい倦怠感などの症状が出たときは、次の受診日を待たずすぐに受診してください。

MTX服用中の風邪の対処法 →

葉酸(フォリアミン)について

MTXの副作用を抑えるために
副作用を抑えるために葉酸(フォリアミン)というビタミン剤を服用します。MTXと一緒に飲むと抗リウマチ作用が弱まるため、本院ではMTXを服用した土日の後の月曜日に2錠服用していただいています。

初めてMTXを服用する患者さんは、服用する前日に必ずフォリアミンを服用するよう説明しています。
葉酸の役割について →

MTX・アラバ服用中の重要チェック項目

その他のリウマチ治療薬

レフルノミド(アラバ)
1錠 10mg

毎日1〜2錠(高齢者は1日おきに1錠)内服します。MTXと同様の注意が必要です。倦怠感・胃腸障害・肝障害・血液障害・脱毛・間質性肺炎が出ることがあります。毎日服用を1日おきに減らす、または中止してもかまいません。効いてくるのに1〜2か月かかります。

サラゾスルファピリジン(アザルフィジン)
1錠 500mg ※サルファ剤アレルギーの方は服用不可

MTXとの併用もあります。1日1錠から開始し、だいたい1日2〜4錠に増量していきます。副作用として胃腸障害・下痢・咳・白血球減少などがあります。効いてくるのに1〜2か月かかります。

ステロイド(プレドニン・プレドニゾロン)

以前は抗リウマチ治療の中心でしたが、長期的な副作用が大きいため現在ではできるだけ使わない方針です。ただし痛みにはすごくよく効き、MTXなどが効いてくるまでの「つなぎ」として補助的に使います。

1日5mg以下であればあまり心配はいりませんが、できれば3mg以下に抑えたいところです。急に止めると症状が出るため、減量する場合は1〜3か月かけてゆっくり減らしてください。

長期使用の主な副作用:骨粗鬆症・骨折・ムーンフェース・胃潰瘍・糖尿病・大腿骨頭壊死・感染免疫力低下・傷が治りにくい、など。1年以上の服用でさまざまな副作用のリスクが高まります。
局所のステロイド注射(ケナコルト)
手関節など局所の痛みに対しては関節内注射が有効です。ケナコルトの関節注射は速効性があり、感染に気をつければ内服のプレドニンよりも全身的副作用が大幅に抑えられます。

骨粗鬆症治療薬

60歳以降の日本人、特に女性はほぼ全員が骨粗鬆症になっていくと考えてください。リウマチの患者さんは骨粗鬆症が必発です。全員に最低限、カルシウムとビタミンD製剤のサプリメントが必要です。

ステロイドを服用している方・子宮や卵巣の摘出手術をした方・胃を切除した方・閉経が早かった方は特にリスクが高く、より強力な予防が必要です。

トヨファロール(活性型ビタミンD)

ほぼ全員に処方しています。カルシウムとビタミンDは必ずセットで摂ることが重要です。市販のサプリメント(ネーチャーメイドなど)も有効です。

フォサマック・ボナロン(アレンドロネート)/アクトネル(リセドロネート)

カルシウムとビタミンDだけでは不十分な場合に処方します。1日1回空腹時に服用し、他の薬と一緒に飲まないようにしてください(吸収が悪くなります)。胃の調子が悪いときは中止してかまいません。

エビスタ(ラロキシフェン)

フォサマックより胃腸障害が少なく飲みやすいため、閉経後の女性にはこちらをおすすめします。乳がんの予防効果もあります。血栓症の既往のある方は使用できません。

フォルテオ

もっとも強力な骨粗鬆症の注射薬です。重症の方や骨折の既往がある方に使用します。

高血圧・コレステロールの薬も処方できます
高血圧・コレステロールの薬も長期処方(2〜3か月分)が可能です。他院で処方されているお薬も本院でまとめて処方できますので、受付までお申し出ください。
天本藤緒医師
監修
天本 藤緒 医師
東京リウマチクリニック理事長
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医
日本整形外科学会認定整形外科専門医
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